当ブログでGoogle AdSenseの審査が無事通ったので、僕が実際にやったことや考察したことをまとめておこうと思う。また、申請時に自身が色々と調べた結果、尤もらしいと思えた事実も記してあるので読んでみてほしい。

この記事では審査対象のサイトがブログサイトであることを暗に前提としている。ユーザー投稿型のサービスなど、ブログとは異なる性質を持つサイトの場合は少し状況が変わってくるかもしれない。(とはいえ、Googleから求められるコアの部分はどのような媒体でも変わらないはずだが)。

結論としては、審査では「AdSenseポリシーに準拠」して「有益なコンテンツを提供」していれば合格できる。前者はポリシーを読んで守るだけなので難しくはない。しかし、後者はそこまで簡単ではない。以下では、この2点について詳しく考えていく。

AdSenseのポリシーに準拠する

GoogleはAdSenseに関するポリシーを公開している。申請をする前に、以下の2つのページを少なくとも読み込んでおくと良い。

これらは広告掲載時の禁止事項なども含むが、「コンテンツポリシー」や「サイトの動作」などの項目は申請時にも当然満たしておく必要がある。

ポリシーに関する基準は、大きく2つに分けられるようだ。1つはサイトの技術的要件に関するもので、もう1つは記事の内容に関するものである。前者では、サイトのユーザビリティが基準を満たしているかどうかやプライバシーポリシーが適切に記載されているかどうかが確認される。一方、後者ではコンテンツがアドセンスのポリシーに準拠しているが評価される。

以下にとくに注意しておくべきことをまとめておく。逆に、以下の内容さえよく読んで条件を満たせていれば、AdSenseの審査は問題なく合格できるはずだ。

最低限のユーザービリティを確保する

Google AdSenseの審査においては、直感的なナビゲーションや適切なコンテンツ配置、読みやすさを考慮したデザインが求められる。とはいえ、無理に凝ったデザインにする必要はなく、「自然に動作する」状態であれば十分である。ユーザビリティが低い例としては、存在しないコンテンツにリンクをしている場合や、ページの読み込み速度が極端に遅い場合、ユーザー体験を損なうほど過度に広告が配置されている場合などが挙げられる。レスポンシブデザインは必須ではないが、Googleがモバイルファーストインデックスを採用しているため、モバイル画面でもユーザビリティを損なわないよう配慮することが必要である。

プライバシーポリシーの設置

プライバシーポリシーの設置も重要だ。自身のサイトがユーザーデータをどのように扱うかについては明確に示しておく必要がある。最近では、欧州連合の一般データ保護規則(GDPR)やその他のプライバシー関連法規制が強化されている状況なので、ユーザーの個人情報保護が厳格に求められるのだろう。とはいえ、自分でプライバシーポリシーを全て記述するのはそれなりに骨の折れる作業だ。そこで、僕のおすすめの方法は、ChatGPTでプライバシーポリシーの叩き台を作って適宜自身のサイトに合った形で修正をするという方法だ。これならば、かなり時間と労力が削減できるはずである。

記事内で禁止されている事項

Google AdSenseの審査において禁止されている事項には、アダルトコンテンツや暴力的・過激な内容、著作権侵害、虚偽または詐欺的な情報、差別的な発言、違法行為を推奨する内容などが含まれる。不正なクリック誘導(誤解を招く表現やリンクの不正配置など)や、自動生成されたコンテンツ、ユーザーに価値を提供しない薄いコンテンツも禁止事項である。これらの規定に違反している場合、AdSenseの審査を通過することはできない。

有益なコンテンツを提供する

Googleは、サイトが広告を掲載するに値するかを審査する。ポリシーに違反していなくとも、コンテンツの質が低ければ広告掲載はさせてもらえない。もしも、「有用性の低いコンテンツ」として不合格になった場合は、コンテンツの質が広告を掲載するに値しないとみなされていることになる。以下に、コンテンツ関連でAdSenseの審査に必要な知識をまとめておく。

最低限の記事数は必要

まず、ある程度の記事を用意しておくことは必要だ。コンテンツが少ないと判断材料が限られてしまうため、その時点で不合格になる可能性がある。ただし、必要な記事数について明確な基準は公開されていない。(そもそも審査員の中でもそのような基準は存在しないかもしれない。)しかし、記事数については少なくとも5記事から10記事以上は必要だろうというのが多くの人の見解のようだ。実際、当サイトの場合は申請をした時点で10記事程度投稿してあった。

文字数は気にしなくて良い

記事数と同様に、1記事あたりの文字数についても明確な基準は公開されていない。ただ、これについては全く本質的ではないと言える。その記事で書くべきことが書けていれば、実際の文字数は何文字でも構わないからだ。その記事で提供する内容によって、適切な文字数は必然的に変わってくるだろう。ただ、文量が多いと自然と提供できる情報量も増えるので、結果的に有益な記事になることは多い。もちろん、無意味に文字数を増やすことには全く意味がないし、むしろユーザー体験を損なうことになる。

記事の内容は「組み合わせ」で考える

どのようなサイトかによって、実際の記事内容は当然変わる。ただし、多くの人が知らない、もしくは検索をしても簡単には知り得ないような情報が盛り込まれている必要がある。逆に言うと、自分の意見や洞察が全くなく、いくつかの記事から得られる情報を再構成しただけのような記事では有益な記事であるとはいえない。

もう少しテクニカルな話をしよう。記事の内容を決めるにあたって、僕の考えるおすすめの方法は、「まだやられていない組み合わせを考える」という方法だ。「AとBの組み合わせは誰かがすでにやっているけれど、AとCの組み合わせはまだ誰もやっていないぞ」とか「AとBの組み合わせにCを足してみたらどうなるだろう」といった思考をするのだ。実はこれは、研究分野で新しく論文を出す際などにも取られていたりする考え方である。

具体例を考えていこう。例えば、「コーヒー豆の挽き方」というタイトルの記事について考えてみる。これだけだとものすごい数の記事が溢れていて、記事として独自性や有益性を強く主張するのは難しそうだ。では、ここに「電動ミル」を組み合わせて「電動ミルを使ったコーヒー豆の挽き方」にしてみよう。これだと少しはトピックが狭まっただろうか。でもまだ独自性のある記事とは主張しづらい。この要領で組み合わせを増やしていき、「A社の電動ミル『ミルMAX』でコーヒー豆を挽く際のコツ」とするとどうだろうか。これなら、自身の感想などを交えて、同じ商品を使っている人に有益な情報が提供できる記事が書けるかもしれない。

アフィリエイトリンクが貼ってあっても構わない

サイト内で何らかの広告が掲載されていてもそれ自体は何の問題もない。例えば、僕の場合はAmazonと楽天市場のアフィリエイトリンクが記事内で使用されていたが審査には通っている。しかし、これはあくまで「記事の品質が高い」や「ユーザー体験を損なっていない」といった他の項目が満たされている場合に限る。内容の薄い広告記事があったり、過度なオーバーレイ広告でユーザー体験を落としていたりしたら審査にも悪影響があるだろう。

アクセス数は0でも良い

アクセス数はGoogle Adsenseの審査には全く関係がない。現に、当ブログではアクセス数ほぼ0という状態で通っている。アクセスというのは、良いコンテンツの結果としてついてくるものなので、アクセスがあるかどうかで判断するのは元も子もないわけだ。Googleが確認するのは、あくまで広告を掲載したいと思えるような良いコンテンツが提供されているかどうかだ。

通らない時も焦らない

僕は過去に別のサイトで審査に落ちた経験があるが、今回のブログでは1回で合格することができた。審査に通らない時や、結果待ちの時はつい焦ってしまいがちだが、実際には早く通ること自体に大したメリットはない。早く通っても遅く通っても、まともなコンテンツを書き続けていれば、収益が出始める頃合いは結局大して変わらないからだ。

Google Adsenseでは審査に通ることよりも、通った後に収益を引き落とせる額まで稼ぐほうがずっと難しい。Adsenseでは、収益を引き落とすためには最低8000円が必要だ。そのため、審査に「なんとか通った」だけの状態では、検索エンジンに評価されていないことが多く、8000円まで収益を上げるのは難しい。広告を掲載する本来の目的は「広告を掲載すること」ではなく、「収益を得ること」であるはずだ。なので、個人的には、「時がくれば通る」くらいの気持ちでいると良いんじゃないかと思う。

とにかく、この記事で述べた「AdSenseポリシーに準拠」と「有益なコンテンツを提供」の2点のみ意識してコンテンツを追加・修正する。AdSenseの審査に通るためにやるべきことはそれだけだ。